Hobby Hobby Hobby My Favoriteな映画・ドラマ・漫画・音楽・小説について

大好きな映画やドラマ、漫画、ゲーム、アニメ、音楽、小説について語ります。古いのが多いのが(?)難点!

The Queen is Dead (1986)/The Smiths 音楽/Music

 

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ご無沙汰です!

今日は、アズテック・カメラに続いて、80年代イギリスのポピュラー・ミュージックを彩った、ザ・スミスの最高傑作"The Queen is Dead"について語ります。

カルト的人気、という言葉をこのブログでは多用する傾向がありますが、このザ・スミスも御多分に漏れず、大不況に喘ぐイギリスの空気を象徴するような、ネガティブでアイロニーに満ちた文学的な歌詞を持ち、特に学校でいじめられ、クラスに居場所が無いような...そんな繊細で心優しい少年少女たちを引きつけました。(もちろん、普通のファンも数多くいたでしょうが)

マッチョイズムに溢れたロックの世界に、代表曲"This Charming Man"のPVのように花束を携えて現れたザ・スミス。ボーカルのモリッシーは、音楽活動を始めるまで、西洋社会では異例なことに、親と一緒に暮らして、引きこもっていたそうです。ギターのジョニー・マーアイルランド系の大家族で育ち、社交的な性格でしたが、モリッシーと異色の意気投合。イギリスで最も多い姓"Smith"に大衆性と没個性と皮肉を盛り込み、あれよあれよという間に、80年代を代表するロック・バンドへと、The Smithsは成長していきました。

ここで取り上げる"The Queen is Dead"は、中期~後期にかけての大傑作で、後半を中心にキラー・チューンのてんこ盛りとなっております。

まず、"女王は死んだ"というタイトルが、どこまでもイギリスらしくて素敵です。日本の皇族と違い、例えるならば"おらが街の殿様"に近い立場のイギリス王室、不可侵の神聖さは無く、クイズ番組に出演したり、下品なゴシップ誌に叩かれたり、日本でいえば"セレブリティ"の象徴、といったところではないでしょうか? いわば、"セレブは死ね"という意味合いで捉えるのが、日本人的解釈としては、一番原義に近いかなぁ、と思います。

モリッシーが嫌うサッチャーの下で、貧困層痛みを伴う改革が行われた、ヨーロッパの"小国"と化す80年代のイギリス。自虐ネタですが、こういった"大国"意識を持った"小国"というアイロニーは、今の日本にも通じる点があるのでは。

ジャケットに、横たわるアラン・ドロンを、古いフランス映画から引用するセンスも素敵ですね。元になった映画"さすらいの狼"の事はよく知らないのですが、中性的なアラン・ドロンが、まさに目を見開いて死んでいるように思えます。

曲の紹介をしましょう! ①"The Queen is Dead"は、6分弱の長めのロック・チューン。冒頭の"Take Me Back to Dear Old Brighty"という不穏なマーチは、映画マニアのモリッシーらしく、古いイギリス映画"The L-Shaped Room"からの引用。終盤はスミスらしからぬ激しいギター・ソロが聴かせてくれます。

⑥"Bigmouth Strikes Again"、直訳すると"また大口叩きをする"。愛する人に過剰で不適切な愛情表現をしてしまう、悩める主人公は、まさにザ・スミス。"僕には人類の一員に入れてもらえる権利はない"は、名言中の名言。曲自体は、スミスらしいメロディ・センスを感じる優れたポップ・ソング。

⑦"The Boy with The Thron in His Side"、邦題"心に茨を持つ少年"は秀逸。愛したいのに、愛して欲しいのに、愛すること、愛されることを拒む、繊細な少年の感情の吐露は、まさに"詩"。"憎悪の裏に情熱的な愛の欲求"、"僕はどこに行けばいいの? 何を始めればいいの?"など、ワンフレーズワンフレーズが、その名の通り心にグサグサ刺さります。底抜けに明るいポップな曲に絶望的な歌詞を重ねているのは、これもまさにザ・スミスらしさ。終盤のモリッシーヨーデル(?)歌唱も、曲の心情に合っていて良い。

⑨"There is A Light That Never Goes Out"は、このアルバムのハイライトであり、ザ・スミスの曲の中でも一、二を争うほどの人気曲。"君と一緒なら2階建てバスに轢かれても最高に幸せな気持ちさ、10トントラックに轢かれて、君のそばで死ねるなら光栄さ、最後に見える光は決して消えない"というサビの歌詞は、メロドラマ的過ぎるという批判もあります。しかし、その前の歌詞では主人公の孤独がこれでもかというほど描かれており、その中でようやく信頼することのできた、たった一人の人間との究極の関係を、分かりやすく、多少ジョークめいて、他方真剣に、激しく描いているのではないかと思います。わざとベタな展開を用意して、そこから人間の究極の愛や尊厳を描くのは、僕の好きなドストエフスキーと通じるものもあるんじゃないかなぁ、と、ここで持論。後回しになってしまいましたが、曲も美しい名バラードです!

前半②~④は、箸休め的な曲ですが、③"I Know It's Over"の"僕は絶対に手に入らないものを手に入れたい"という歌詞は印象に残ります。⑤"Cemetery Gates"も、小品ながら軽快なギター・ポップ。歌詞にキーツ、イェーツ、オスカー・ワイルドが出てくるのは、読書家のモリッシーならでは。⑧"Vicar in A Tutu"は、女装趣味の男性がコミカルに、どこか物悲しく描かれています。(最後はモリッシー自身も...) ⑩"Some Girls Are Bigger Than Others"は、おまけ的な、シュール過ぎて、和訳が困難な曲。遺伝について歌った曲という説があります。ベースラインがなかなか。

孤独な人間への優しさと、多少の陰鬱さが吹き飛ぶようなコミカルさが詰まった、名ロック・バンド、ザ・スミス。もしこれを読んだあなたが、自分の中に優しさと繊細さを感じたら、是非、ザ・スミスを聴いてみて下さい。必ずお気に召すと思いますよ!

 

池袋ウエストゲートパーク (2000) ドラマ/Drama

 

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こんにちは。今回は、日本のテレビドラマで最もカルト的人気を誇るといっても過言ではない、宮藤官九郎脚本・堤幸彦演出の、2000年のTBS系ドラマ"池袋ウエストゲートパーク"を取り上げます。

そもそも、宮藤官九郎堤幸彦のタッグという時点で、ドラマファンは感涙ものでしょう。お互いに日本のドラマ界の中で、一番エッジの効いた物語と映像を作り続けている同志、ドラマに革命を起こした2人であります。

この後宮藤官九郎は"木更津キャッツアイ" "タイガー&ドラゴン" "あまちゃん"など、世に傑作を放ち続けていますが、衝撃、という点ではこの"池袋"が、連続ドラマでは処女作ともあって、一番だったのでは。

堤幸彦も"池袋"以前には"金田一少年の事件簿" "ケイゾク"、"池袋"の次のクールで"TRICK"、それ以降も映画監督としてヒット作を数多く作り上げていますが、彼のオールロケにこだわったドラマとしては、やはり、"池袋"が最高傑作ではないでしょうか。(映画監督としての評判はあまり芳しくないようですが...)

石田衣良の原作も少し読んだ程度なのですが、非常に面白く、良い素材を、台詞や設定の節々にクドカン色をつけることによって、最高の料理に仕上げている、という印象。

例えば窪塚洋介演じるキングことタカシの"○○なり"という語尾や奇行(後に本人も感化)、原作にはいない森下愛子阿部サダヲのコミカルなキャラクターなどが何よりも特徴的! それ以外も台詞の隅々に、原作には無いのですが、作品と上手くマッチしている、クドカンらしいコメディセンスを感じます(ネズミ講の女社長役の未唯に、"昔のアイドルみたいな~"と、本当に言わせてしまうセンス)。

細かい演出や小物も、何せ観たのが十数年前なので、残念な事に記憶から消えかかっているのですが、堤作品らしくネタに溢れていて、面白かった記憶があります。

この作品を伝説的にしたのには、先程から書き連ねている、キャストの豪華さも大きく後押ししていることでしょう。放映当時名前が売れていたのは長瀬智也加藤あい、そして窪塚洋介ぐらいでしたが、後に主演を張るまでになる、当時は無名に近い存在だった佐藤隆太山下智久坂口憲二妻夫木聡阿部サダヲ高橋一生小雪らがそれぞれ脇役から端役までめくるめく出演。警察署長を演じた渡辺謙の、民放の、それもこういった若者向けで挑戦的なドラマへの出演は、放映当時から異色といわれていました。

話の筋は、キング率いるカラーギャング・Gボーイズの抗争を描く終盤以外は、一話完結モノ。長瀬智也演じる池袋の正義感溢れる元不良のフリーター"マコト"が、周囲で起こる数々の騒動や事件を仲間と共に解決する、といったもの。

マコトたち不良や、社会であぶれた若者、例えばオタクの地位が今より低かった時代の山P演じるアニメオタク・シュン、現在では大出世を遂げた高橋一生演じる引きこもりが、警察に先んじて、様々な活躍を見せる様子は痛快!

そういった社会のアウトローアウトサイダー、そういった人々がこの作品には多く現れ、それぞれの魅力を放っているのが、何よりの魅力かもしれません。"池袋"という、東京の具体的な地名とロケーションで、独特のライブ感を保っているのもこの作品ならでは。清春率いるSADSの主題歌"忘却の空"と、猥雑なタイトルバックも、"池袋"に合っていて素晴らしい。1~11話まで、それぞれ"いち"ごの回、"に"んじんの回、"み"かんの回...と数にかけた言葉遊びも馬鹿げていて面白い!

インターネットの評判を見ると、普段テレビドラマを見ない、バイオレンスでハードな作品を好む若者や男性層にも、ウケているのが印象深いです。

余談ですが、今は無き金曜9時からの枠で放映されていた"池袋ウエストゲートパーク"。この後、今も続く金曜10時からの枠で放映されていたのが、"ケイゾク"を意識したサスペンスドラマ、"QUIZ"なのです。"池袋"ほどカルト的人気は無いものの、こちらも猟奇さや挑戦度で、"池袋"や"ケイゾク"に負けてはいない、良作です。機会があれば、"QUIZ"のレビューも、書きたいと思います!

9時台に"ケイゾク"を放映していた時は、10時台に"天国に一番近い男"を放映していたり、TBSも昔は斬新で挑戦的なドラマを立て続けに放映していたんだなぁ、と思うと感慨深いです。(笑) また、こういうドラマを求む!

(最後に観たのが十数年前、と言った通り、"池袋"に関しては記憶が薄れている部分があります。もう一回見直して、レビューを再度書くかもしれません! それぐらい、"池袋"は面白いし、魅力があります)

うしおととら (1990-1996) 漫画/Comic

 

 

 

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次は、少年漫画の金字塔、藤田和日郎作の"うしおととら"を取り上げます。

一般に、少年漫画といえば少年ジャンプですが、ライバル誌の少年サンデー、少年マガジンにも名作は数多くあり、サンデーなら二大看板の高橋留美子作品("うる星やつら" "らんま1/2" "犬夜叉")、あだち充作品("タッチ" "H2" "クロスゲーム")、マガジンならドラマ化した"金田一少年の事件簿" "GTO"や、平成最高のボクシング漫画"はじめの一歩"などが挙げられます。

その中でも少年サンデーは、同じ小学館に小学生男子向けのコロコロコミックがあり、そのせいか少年ジャンプよりもやや高い年齢層をターゲットにしている事もあって、作家性の強い作品が数多く見受けられます。少年誌で競馬("じゃじゃ馬 グルーミンUP!")や競艇("モンキーターン")がテーマの作品を掲載する意欲性、先日ドラマ化して大好評を得た"今日から俺は!!"をはじめとした、カルト的人気を誇る西森博之作品、カルト的人気、といえば"さよなら絶望先生"の久米田康治もまた、少年サンデー出身の漫画家の一人です。(サンデー時代の作品に、"かってに改蔵"など)

少年誌で最も女性の読者の比率が高い少年サンデー(そもそも看板作家が女性の高橋留美子)、俗に言う"打ち切りレース"のある少年ジャンプ、作家ではなく編集部が強い権力を持つ少年マガジンと違い、作家個人個人のファンが多く、根強い人気を持つ作品が今でも多いのが特徴でしょう。

その中で、30年サンデーに君臨し、西森作品などと並び、最もカルト的人気を誇るのが、"少年漫画の鬼"藤田和日郎作品である事に、異論を申する人は少ないでしょう。(ジャンプでいう"ジョジョ"のポジションに近い、と言えば、分かりやすいかもしれない)

"うしおととら" "からくりサーカス" "月光条例" 現在連載中の"双亡亭壊すべし"と、4つの作品がありますが、その中から、名実共に代表作の"うしおととら"を紹介します。

話の筋は少年漫画らしく良い意味でシンプルで、獣の槍という実家の寺に伝わる武器を手に入れた中学生・蒼月潮と、その槍に封じられていたライオンのような姿の大妖怪・とらが、戦隊ヒーロー物のように、基本的に悪い妖怪をやっつけて人助けをするという、終盤以外は単発のエピソードで構成されている、一見何の変哲もない少年漫画です。

しかし、今ここで"悪い妖怪"と書きましたが、善悪、勇気や友情の描き方に、極限まで真面目さや真摯さを貫いているのが、藤田作品の大きな特徴なのです。

目の見えない子どもの為に、人間の眼球を集める妖怪"さとり"をやっつけて泣き崩れる潮、潮の真っ直ぐな眼に改心するヤクザの死、住む土地を追われた凶暴な"かまいたち"に涙する潮、日光に触れたら爆発する妖怪"山魚"にまとわりつかれたトンネルの中の列車で、最後には勇気をみせる気弱な少年、詳しいエピソードの内容はそれぞれ原作を読んで確かめて欲しいので省きますが、どこを切り取っても感情が爆発しています。良い方向にも、悪い方向にも...そんな所が好きなのです。

そしてこの作品を象徴する、裏の主人公は、何と言っても鏢(ひょう)でしょう。妻子を妖怪に食い殺された、元は気弱な男が、修行を積み強くなって、子どもを虐げる者を絶対に許さない、符咒師(簡単にいえば妖力を使って戦う者)になり、最後は復讐を遂げ死す、藤田作品の中でも屈指の人気キャラクターです。個人的には、自分の漫画を読む子どもに対して、全力で正義と勇気のメッセージを伝えようとする、藤田和日郎の姿勢と、通じる物があると思います。(子どもを守る、というのは理屈では言い表せない感情なので、あまりの熱さに齟齬を感じる部分もありますが...)

クライマックスの、全ての味方キャラクターが最終ボス"白面の者"との戦闘に加わるスケールの大きさとファンサービスの良さも、藤田作品らしさです。その中で重要キャラの一人が、潮の純粋さに耐え切れず裏切りをみせますが、そのキャラクターの狂気の描写が、また傑作。

藤田氏は、自分が影響を受けた映画や本を沢山ネット上やインタビュー、自著などで紹介してくれていますが、その中に出てくるアクション映画やファンタジー文学の影響を、確かに色濃く感じます。他の少年漫画に比べて、映画的、文学的な印象を強く感じるのは、僕だけでしょうか? 個人的に、児童文学と通じる要素も強く感じます。(それにしてはハードすぎるかもしれないけれど...)

豪快さと真面目さが同居する、藤田和日郎作品。今度は、"からくりサーカス"のレビューも上げる予定です! 是非一度、少年漫画と縁の無い人も、手に取ってみて下さいね。(特にアクション映画好き、ファンタジー小説好きの大人!) 初心者には、青年誌連載でも藤田魂が感じられる、"邪眼は月輪に飛ぶ"も、オススメです。

High Land, Hard Rain (1983)/Aztec Camera 音楽/Music

 

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ご無沙汰しております。 

今度は、僕の好きな80年代イギリスのポピュラー・ミュージックから、ネオ・アコースティックの最高傑作、アズテック・カメラのハイ・ランド・ハード・レインを紹介しましょう。

そもそもネオ・アコースティックという分類自体が、日本特有のもので、本国ではポスト・パンク、フォーク・ロックの旗手として祭り上げられた、アズテック・カメラ。実質ボーカル兼ソングライターのロディ・フレイムの一人ユニットに近い形態で、エルヴィス・コステロから、デビュー当初、非常に高い評価を得ていました。

日本のバブル期前後に隆盛を誇った渋谷系ミュージックは、ネオ・アコースティック全体の中でも、そもそも特にこのアズテック・カメラに強い影響を受けており、渋谷系の代表、小沢健二小山田圭吾のポップデュオ、フリッパーズ・ギターは、その最右翼ともいえる存在です。

渋谷系という音楽文化は、既存の音源からコピー&ペーストして知識とセンスを競う、非常にエスプリの効いた側面がありましたが、フリッパーズ・ギターの"海へ行くつもりじゃなかった" "カメラ・トーク"などには、アズテック・カメラからの、渋谷系にしては非常に分かりやすい、露骨な引用が見受けられます。

露骨な引用をしたくなるほどの名盤、"ハイ・ランド・ハード・レイン"。中身は、パンクの後釜というにはあまりにも甘美なメロディと、訳詞でもセンスの高さが理解できる青春の痛みに触れた歌詞。録音はイギリス南部のリゾート地、ブライトンの教会で行われ、くぐもった音質の中に、ある種の神聖さや荘厳さすら感じさせます。まさに"青春の永遠の金字塔"と呼ぶのが相応しい、ポピュラー・ミュージック史上トップクラスの名盤でしょう。

①"Oblivious"は、爽やかさの中に、自意識や恋の痛みを感じさせる歌詞。邦題"思い出のサニー・ビート"は雑なネーミング・センスですが、ラテンの香りを感じさせるアレンジなのは確か。完成度の高いポップ・チューン。

②"The Boy Wonders"は、ロディ本人曰く"パンク・ソング"。スコットランドの男の子が、ロンドンに行く、というのが楽曲のメインテーマで、⑩の"Down the Dip"に通じるものがあります。スコットランド民謡にインスパイアされた部分も多々感じられ、歌詞通り、汽車に乗った時のリズムも曲から強く感じます。終盤の"High Land, Hard Rain"の掛け声も、いかす!

③"Walk out to Winter"も、大好きなナンバー。"冬に向かって歩き出そう"というタイトルの通り、たとえ困難が待ち受けていたとしても、僕は立ち向かってみせる、といった強い主張が印象的です。クラッシュのジョー・ストラマーのポスターが剥がれ落ちた、という歌詞は、パンクの時代の終わりを告げるものとして、有名。原曲はアコースティック・ギター中心のアレンジですが、youtubeで聴けるものにはシンセサイザーを用いたアレンジもあります。シンセサイザーの音色に、時代を感じさせる部分もありますが、イントロや間奏、終盤のアレンジは、冬を強く喚起できる、素敵なアレンジです。

⑤"We Could Send Letters"は、切ない別れを予期させる名バラード。プロデューサーが本当に泣くまで、実際に駄目だしされたという、間奏のギターの音色が本当に素晴らしい。youtubeで聴ける、デモ・テープ版も音源は粗いけれど良い。

⑥"Pillar to Post"、80年代ど真ん中の、ワム!に歌わせてもいいような、今作で一番分かりやすいポップさを持つ曲。爽やかですが、歌詞は少しアンニュイ気味。間奏の微かに聴こえるコーラスが、爽やかさの中にほろ苦さと切なさを含んでいるこの曲を象徴しているかの様。

④"The Bugle Sounds Again"も、地味ながら、寂しさと幻惑的な風景を感じさせる佳曲。最後を締める⑩はともかく、終盤⑦⑧⑨はやや完成度を①~⑥に譲る感はありますが、パンキッシュだったり、ラテンだったり、ブルージーだったり、ロディ・フレイムの音楽遍歴が辿れる内容になっています。(①~⑥が名作過ぎますね)

アルバム未収録、フリッパーズ・ギターに引用された"Just Like Gold"、甘いメロディセンスが流石の"Matress of Wire"も、①~⑥に負けないくらいの名曲。youtubeで聴けるので、是非! 日本盤のみ収録の、B面曲"Haywire" "Orchid Girl" "Queen's Tattoo"も、小品ながらセンスが良く、⑦~⑨より好きです。

歴史的名盤、といった割には、終盤の批評を割愛し、やや手厳しい評価になってしまいましたが、名盤の名に恥じない輝きを持つ、ポップ・ミュージック好きなら誰でも楽しめる名盤だと思うので、邦楽しか聴かない方も、是非聴いてみて下さいね。感想待ってます!

罪と罰 (1866) 小説/Novel

 

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うって変わって、次は真面目に、古典文学のフェイバリットをご紹介しましょう。

タイトルは有名だが、読んだことのある人はそこまで多くない、ロシアの人類史を代表する文豪、フョードル・ドストエフスキーの"罪と罰"。要約すると、特権的な思想を持ったインテリながら貧しい元大学生"ロジオン・ロマーヌウィチ・ラスコーリニコフ"が、ナポレオンが大量の人間を戦災で殺害しているのに崇められている事を盾に、"人類の進歩のために選ばれた人間なら、暴力は許される"と考え、金貸しの老婆とその妹を殺害、しかし、踏み越える事ができなかった"壁"を感じ、精神的にも肉体的にも、そして賢明な判事ポルフィーリィとの口論によっても追い詰められ、最後には自首をする。だが、その途上で敬虔な娼婦のソーニャに会い、罪の告白の後ソーニャの愛に触れ、流刑になった後もソーニャの献身的な態度に最後は改心する、という話です。

サブストーリーとして、ラスコーリニコフの妹のアヴドーチヤの婚約破談話、そしてスヴィドリガイロフというアヴドーチヤの元家庭教師先の艶福家が、ラスコーリニコフアメリカに逃がす代わりにアヴドーチヤを手に入れようと、執拗に彼女に迫り、銃撃戦(!)の後に、絶望して自殺するという、ショッキングな話も含まれています。

よく、裁かれた後に改心したラスコーリニコフと、最後は自殺してしまうスヴィドリガイロフが上手く対比されていると、一般には評されています。スヴィドリガイロフも妻を殺害した限りなく黒い嫌疑がかかっており、逃げおおせてもあまり罪の意識を感じる事は無く、食えない、狡猾な人間という印象があります。最後は"私のアメリカに行く"と、死を選んでしまうところがまた悲しい。

ロシア語の原題" Преступление и наказание"は、プレストプレーニエ・イ・ナカザーニエと読み、翻訳すると"犯罪と刑罰"という意味になります。プレストプレーニエの語源は、"一線を踏み越える"事から来ているのも、有名な話。"一線を踏み越えた"、ラスコーリニコフと、"踏み越える意識"すら無いスヴィドリガイロフ、といったところでしょうか。

ドストエフスキー及びロシア文学全体を貫く、キリスト教的、特にロシア正教的と言った方が良いかもしれませんが、宗教的なヒューマニズムが、作品に深遠さと荘厳さを加味しています。ラスコーリニコフとソーニャが聖書の"ラザロの復活"を読むシーン(芥川龍之介も絶賛した)、"血を流した大地へのキス"をソーニャが示唆し、クライマックスでラスコーリニコフがそれを本当に実行してしまうところ、どこを切り取っても人間の極限と良心を宗教を通じて鮮やかに描いている、と感じます。

とても長い作品で、ドストエフスキー節(?)ともいわれる長い台詞、執拗な登場人物の心理や出来事の背景の描写は人を選ぶかもしれませんが、読んでる最中の恍惚感と魂を揺さぶられる感覚、読み終わった後の満足感と幸福さは、何事にも代えがたい経験になると思います。世界文学の金字塔といわれる、"カラマーゾフの兄弟"のレビューも今後書きたいと思っています!

FINAL FANTASY Ⅶ/ファイナル・ファンタジー7 (1997) ゲーム/Game

 

 次は、"MOTHER"シリーズの記事の中で少し触れた、"FF"シリーズで最高の人気を誇り、まもなくリメイク版が発売になる、90年代のテレビゲームを様々な意味で180度変えたファイナル・ファンタジー7を取り上げましょう。

この作品の最大のヒットの要因は、なんといっても"3D"の衝撃でしょう。FC・SFCの頃から、スクウェアは映像表現の革新性と美麗さにこだわる傾向がありましたが、FF7で与えた衝撃は空前絶後でした。"スーパーマリオ64"や"バーチャファイター"シリーズなど、3Dを駆使した作品はFF7以前にもありましたが、当時最も勢いのあったPSで最も多くの人が触れたのが一番大きいのでしょう。そして、史上最も激戦期だったゲームハード戦争に堂々と君臨し、事実上FF7の登場が、PSの勝利の決定打になったのも、非常に大きなインパクトがありました。

そして何より、世界観が衝撃的だったのです。序盤の舞台、ミッドガルの摩天楼と、多国籍・無国籍感溢れる、映画"ブレードランナー"を参考にしたサイバーパンク風の演出は、90年代特有の近未来感に溢れていて、当時のプレイヤーを痺れさせた事でしょう。(今遊ぶとポリゴンは粗く、マップも見にくく、やや遊びにくいですが...)

ストーリーも、90年代的なアイデンティティの喪失と再生を謳っていて、面白い。今でもFFの主人公で一番人気のクラウドですが、作品の中では意外(?)とお茶目な場面も見せてくれます。(女装とか...)

ヒロインの一人、エアリスの死も、当時は彼女を蘇らせる裏技のデマが流行るほど、プレイヤーに衝撃を与えました。ポケモンでも、裏技やデマの新ポケモンの噂が流れるなど、こういった現象を思い出すたび、90年代だなぁ、としみじみ感じたりします。今でも、子どもたちの間であるのかなぁ? こういう噂。

FFシリーズで全てクリアしたのは7のみですが、これから他のシリーズもプレイして、オールクリアしてレビューを書きたいと思うので、よろしくお願いします。

 

 

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MOTHER (1989), MOTHER 2 ギーグの逆襲 (1994) ゲーム/Game

 

 

マザー

マザー

 

 

 

MOTHER2 ギーグの逆襲

MOTHER2 ギーグの逆襲

 

 

 

 

 

 

MOTHER 1+2

MOTHER 1+2

 

 ゲームの第一弾は、糸井重里プロデュースのカルト的名作、"MOTHER"および"MOTHER 2 ギーグの逆襲"を取り上げます。

別々の記事にしようかとも思ったのですが、言いたい事が被ってるし、2つを併せたGBA用ソフト"MOTHER1+2"も発売されてるので、合同の記事にしたいと思います。

まずこのゲームの特徴は、RPGにも関わらず、現実の世界をモチーフにしている事でしょう。他にも"女神転生"・"ペルソナ"シリーズなどはありますが、1989年当時は、画期的な出来事だったのではないでしょうか?

"現実のアメリカをモデルにした舞台にする"のは、糸井重里氏のアイディアだそうですが、スーパーマリオの生みの親、任天堂宮本茂氏は、そのアイディアに当初は疑問符を投げつけたそうです。テレビゲームの世界で、それはあまり革新的なアイディアではない、というのが、"世界観"というゲームの表層ではなく、"遊び"という本質を重んじる宮本氏の率直な意見だったのでしょう。

しかし、その後の90年代のRPG隆盛期における"世界観"の変革("FF7"のサイバーパンク化、そもそも現実世界がモデルの"ポケモン")や、今日まで売上では遠く及ばないDQ・FFにも負けないMOTHERシリーズのカルト的人気を考えると、糸井氏の目の付け所は正しかったのでは、という気に、僕はなります。(宮本氏も、後にMOTHERシリーズをプレイして気に入ったそうです。MOTHER2のオープニングのギターは宮本氏の演奏です!)

肝心のレビューですが、ストーリーと音楽は1作目、演出とゲーム性は2作目に軍配を上げたいと思います。 

まず1作目ですが、子どもたちが主人公の少年の曾祖母に育てられた、地球を侵略しようとする愛を忘れた宇宙人に、曾祖母の子守唄を届けに行く、というのが、一作の小説(久美沙織氏の小説も好きです)や映画になりそうなぐらい密度の濃いプロットでしょう。"小さな恋のメロディ"で書いた通り、幼少期の甘く切ない思い出を呼び起こさせる演出は、感涙ものです。

その子守唄のメロディが、個人的にはバッハのコラールに匹敵するほど、荘厳さを帯びた、甘く美しい旋律なのです。僕はこの旋律のアレンジが使われていた"大乱闘スマッシュブラザーズDX"の影響で、MOTHERシリーズのファンになったぐらい、このメロディはゲーム音楽の中でも格別に素晴らしい。作曲した鈴木慶一氏と糸井氏の対談が"ほぼ日刊イトイ新聞"で読めますが、やはり、讃美歌を参考にした、と語られています。

2作目は、舞台も"アメリカの田舎町"から"イーグルランド"に変わり、現実性は影を潜めましたが、その分SFCになりグラフィックも格段に向上、終盤の難易度が高かった前作に比べ、難易度も遊びやすいものになっています。主人公"ネス"が、長年"スマブラ"シリーズに登場していたので、こちらの方が、現代人には、馴染みやすいかもしれませんね。僕も、ストーリーや音楽は前作の方が好きですが、多く遊んだのは2です。

糸井氏が劇中の台詞を全て考案しているのですが、2の方が場数を踏んだ分、冴えているような気がします。ムーンサイドやギーグ戦など、サイケデリックな演出も良い。岩田聡氏が、天才的なプログラミングで、座礁に乗り上げた開発を最後まで終わらせた、というエピソードも、有名な話。

"現実をモチーフにした舞台"から離れた最終作3は未プレイなのですが、いつかはプレイしたいと思っています!

ダウンロード版ならすぐ遊べるので、未プレイの方は一度遊んでみては?

 

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[3DS] Newニンテンドー3DS専用 MOTHER2 ギーグの逆襲 (ダウンロード版)

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